泉南アスベストの国家賠償請求の場合
国から受給できる金額は以下の通りです。
①じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合 | 550万円 |
②じん肺管理区分の管理2で合併症がある場合 | 700万円 |
③じん肺管理区分の管理3で合併症がない場合 | 800万円 |
④じん肺管理区分の管理3で合併症がある場合 | 950万円 |
⑤じん肺管理区分の管理4、肺がん、中ひ腫、びまん性胸膜肥厚の場合 | 1150万円 |
⑥石綿肺(管理2・3で合併症なし)による死亡の場合 | 1200万円 |
⑦石綿肺(管理2・3で合併症あり、または管理4)、肺がん、中ひ腫、びまん性胸膜肥厚による死亡の場合 | 1300万円 |
上記金額とは別に、弁護士費用(請求額の1割相当額)と遅延損害金も請求できます。
肺がんの場合で喫煙歴がある場合は1割の過失相殺がなされます。
じん肺管理区分について
管理区分1 | じん肺の所見なし。 |
管理区分2~4 | じん肺の所見あり。 X線の写真の像の型や肺機能障害の有無で2~4に区分されます。 |
合併症 | 肺結核、結核性胸膜炎、続発性気管支炎、続発性気管支拡張症、 続発性気胸を指します。 |
建設アスベストの場合
まだ一連の建設アスベストの裁判が全て終わっていないため、はっきりと決まってはいませんが、病状に応じて360万円~860万円を国から受給できる見通しです(作業をしていた時期によっては減額される可能性があります)。
建材メーカーからも同じ額を受給できる見通しです(作業をしていた時期によっては減額される可能性があります)。
建設アスベストの場合、労働者だけでなくいわゆる一人親方も同じ額を受給できる見通しです。
今後、一連の裁判が全て終了したら、金額が確定して、厚生労働省が受給条件を決める予定です。
今から各種資料を集める必要がありますので、当事務所までご相談ください。
会社や元請会社に請求する場合
会社や元請会社に請求する場合は、以下の金額が基準となります。
但し、泉南アスベストと異なり、明確な和解基準が定められているわけではありませんので、金額が前後する可能性があります。
①じん肺管理区分の管理2で合併症がない場合 | 1100万円 |
②じん肺管理区分の管理2で合併症がある場合 | 1400万円 |
③じん肺管理区分の管理3で合併症がない場合 | 1600万円 |
④じん肺管理区分の管理3で合併症がある場合 | 1900万円 |
⑤じん肺管理区分の管理4、肺がん、中ひ腫、びまん性胸膜肥厚の場合 | 2300万円 |
⑥石綿肺(管理2・3で合併症なし)による死亡の場合 | 2400万円 |
⑦石綿肺(管理2・3で合併症あり、または管理4)、肺がん、中ひ腫、びまん性胸膜肥厚による死亡の場合 | 2600万円 |
国からの受給額よりも金額が高い理由
会社に対して請求できる額は、国から受給できる額よりも高いです(2倍です)。
これは、本来、労働者の生命身体の安全は、雇用主である会社が第一次的に守るものであり、国は二次的な責任しか負わないからと言われています。
そのため、泉南アスベストでは、国は、本来の慰謝料額の2分の1の責任しか負わないと判断されたので、会社に対する請求額の半額になっているのです。
但し、国と会社から二重取りができるわけではありませんのでご注意ください(会社から満額受給したら国に対しては請求できません。国から受給した後に会社に請求する場合は、国からの受給分は請求額から差し引きます)。