建設アスベストで勝訴判決が続いています!
アスベスト被害の国の規制権限の不行使につきましては,泉南国賠の最高裁判決において確定し,この訴訟の原告にはならなかった被害者やご遺族に対しましても,国が最大1300万円(但し,これに遅延損害金,弁護士費用が加算されます。)の損害賠償金の支払いをしています。
泉南国賠は,石綿工場内の労働者を対象としていますが,建設アスベストは,建物を建設する作業現場で働いていた大工,左官,電気工等,あらゆる業種の建設作業者が対象となるものです。
これまで,東京高等裁判所,大阪高等裁判所で建設アスベスト訴訟の2審判決が出され,いずれも原告が勝訴し,被告の国が敗訴しています。
静岡県でも,建設作業労働者(左官)の遺族が国を被告として訴訟を提起していますが,判決は来年の予定です。
2つの上記の高裁判決は,会社に雇用されない,いわゆる1人親方に対しても,国の規制権限不行使の違法を認め,国に対し損害賠償を求めています。
これらの判決は,1人親方の建設作業現場におけるアスベストのばく露実態が,会社に雇用されている労働者と何ら変わりはないとして,安全衛生法等が1人親方を直接的には保護対象にしていないとしても,国家賠償法上では1人親方も保護の対象になるとして,国の規制権限の不行使を認めたものです。
そして,建設アスベスト労働者に対する国の責任の割合は,泉南国賠の工場労働者と同じく2分の1となりました。
下級審では3分の1となっていた割合が,高等裁判所では2分の1にアップされました。
東京高等裁判所,大阪高等裁判所の判決は,今,最高裁判所に係属しています。
おそらく2年以内には最高裁判決がなされ,泉南国賠のように,原告の勝訴が予想されます。
現在,裁判をしていない建設作業労働者でも,中皮腫,肺がん,石綿肺等のアスベスト被害者に対して,国は損害賠償の支払いをするものと思います。
全国には,建設作業に従事した労働者の内,50万人程度がアスベスト被害にあっているといわれています。
静岡県内にも,多くのアスベスト被害者がいるものと思われますので,あらかじめご相談いただければ損害賠償の手続や方法をご指導します。
建設アスベスト被害の解決には,国や石綿含有の建材を製造していた会社がお金を出し合い,「建設アスベスト救済基金」をつくる必要がありますが,今は未確定です。
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